巡回保育園の保育士さんより質問をいただきました。
園庭にちょっとした土山やタイヤを入れて子どもが自然と運動できる環境を作りたいと思っているのだけれども、他の保育士さんより「そんなことをしたら、毎日やっているマラソンや鬼ごっこなどの集団遊びができなくなるのでは??」と反対?意見が出てきました。私としては、環境を変えてもそれらは形を変えてできるのかな?と思うのですが、どうやって想いを伝えたらよいのでしょうか・・・。との内容でした。
まず、マラソンや鬼ごっこ(集団遊び)は「広い環境」「平面の環境」が必要と言う固定概念をほぐすことから始めましょう。
作成予定の山やタイヤの間をマラソンコースとして設定してみましょう。子ども達は平面を走るのではなく、斜面を登ったり、降ったりすることで、より足指への刺激や踏ん張り力、バランス力を育てることができます。同じマラソンでも環境を整備することで、様々な筋力、感覚を育てることが期待できますね。
鬼ごっこ(集団遊び)を見ていきましょう。
小山を作ったり、タイヤなどを配置したりすることで、子ども達の距離感(空間認知力)を育てることができます。平面だと鬼の距離と自分の距離程度ですが、園庭整備を行うことで、例えば鬼が小山の上にいる、その時に小山から降りる時は通常より速力が遅くなるかもしれないからあっちへ逃げる!!など、環境と身体の動作、相手の情報など様々なことを想像して活動ができます。
また、タイヤなどがある場合もタイヤの対面側に鬼がいる。タイヤを利用して逃げ道を確保するなど考えたり、もしかしたらタイヤを跳び越えたりと考えるかもしれません。ちょっとした環境の変化で子どもは活動に対して様々なことを考え表現します。
例えば子どもが気付きにくい低い段差などは危険ですが、子どもが気付ける高さや大きさなどの障害物は遊びの中で子どもが気付き、避ける、登る、遊び方を考えるので良いと思います。まずはタイヤからでも非常に重宝できますので入れてみてはいかがでしょうか?
ここで注意したいことは「環境を整えたから早速マラソンを・・・」としたら環境に対して慣れていない可能性があるので、怪我をする可能性が高くなるかもしれません。ある程度子ども達が環境に対して馴染んでから設定保育などとして取り入れてみましょう。
今回の不安な声を上げた先生方は、もしかしたら環境を変えた時の想像、道筋、見通しが共通理解しにくい状況だったかもしれません。まずは、やりたいこと、活用方法、危険、子どもの姿などを話し合うことで不安が緩和されるかもしれません。
「遊道」では今後も保育士さん方がより保育を楽しく想像できるためのお手伝いをさせて頂きます。
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