先日、保育士さんより質問をいただきました。
運動遊びの時間に子ども達が落ち着かず集中して参加できないです。何かアドバイスをください。
という内容でした。
どんな活動をしたのか聞き取りをしたところ、大縄跳びを中心とした運動遊びにしたとのことです。
人数は20数名の子ども達の運動遊び時間を客観的に分析してみましょう。
質問者の方に聞いてみると、
〇活動の場所は2カ所のみ
ということが分かりました。
4歳児クラスにて3名保育士がいて、1人がパイプイスに縄をくくり付けて、もう2人は2人で1本の縄を持ち回したそうです。
子ども20数名に対して、大縄跳びを実施する場所は2カ所のみでは個々が活動する時間よりも待ち時間が莫大になる可能性があります。
1人に対して、30秒ほどかかると計算し、2カ所に分かれて10名ちょっとずつ遊びますが、当然大縄跳びに対して不慣れな子どもがいて、更に時間がかかります。
もしかしたら、子どもの活動時間40秒で待ち時間が10~15分なんてことになるかもしれません。
これを2回繰り返したら、大人でも嫌ですよね。
待ち時間に楽しみを探し、そして叱られるなんて悪循環になってしまう可能性があります。
今回の場合は保育士が3名いるため活動を3カ所に分けることをおススメします。
縄はパイプイスにくくり付ければ、3人の保育士がそれぞれ大繩を回して子どもに対応ができます。
よく、運動遊び時には運動遊び担当の先生が大勢の子どもを1人で対応することがありますが、担任の保育士さんにも協力をしてもらい、待ち時間を減らして楽しい活動の時間を確保していきましょう!
運動遊びなどの活動は必ずしもクラス全員で参加する必要はありません。
例えばクラスを半分または3つに分けて3日に分けてそれぞれ実施することで待ち時間が少なくなり、更に子ども一人ひとりとの会話や分析を行うことができます。
その間、他のチームは異年齢での活動や散歩など、その時間を有意義に過ごすことができるでしょう。
また、大縄跳びなどの時間が必要な活動は、朝の自由時間を利用しても良いでしょう。自由活動時に提供をすることで、他の学年の子どもにも興味をもって参加できるようになります。ただし、自由活動だと近寄ってこない子どもがいるので、声をかけ誘ったり、1回跳んでから自由活動に参加するなど工夫が必要となります。
保育士さん達は子どもに活動に参加してほしいと願うあまり、待ち時間を考えず子どもが落ち着かなくなると、「この子たちは何をやっても落ち着かない・・・」なんて口にすることが多いのですが、ふと立ち止まり自分が子どもの立場だったらを考えてみることで、子どもへの声のかけた、時間配分、保育計画などをより子ども目線で楽しく無理なく提供することができるでしょう。
これは以前紹介した「活動を魅力的に伝えるコツ」の一つでもあります。
ただし、活動内容やねらいによっては、全員参加でこそ楽しめ意味があることもありますので、一つずつ活動を見直していきましょう。
「遊道」では引き続き、保育士さんの想いを子どもに伝えられるよう客観的な視点からアドバイスをさせて頂きます。