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噛みつきと環境について

2021.09.25

 今回は0,1歳児クラスで発生しやすい「噛みつき」発生の一因を保育環境から紐解いてみたいと思います。

噛みつきと環境整備ができない悪循環

 先日巡回した保育施設の1歳児クラスにて、環境整備を進めたいのだが、「噛みつき」が多くコーナーを作ると子どもが見えなくて不安で進めていないという相談を受けました。子どもそのものの原因ではなく、環境からの要素から考えてみましょう!

 保育室を観察すると「噛みつき」が発生するような要因がたくさんありました。

①広間におもちゃがたくさんある状態

 子どもたちにとって、同じ部屋でも大広間とコーナーで区切られた環境では「「飽き」具合が変わってきます。また、コーナーにて、属性の近いおもちゃがあることで、遊びに集中しやすくなります。大広間型の環境ではおもちゃが散乱した状態で、遊びに集中する、じっくり遊びことが難しい状態となり「イライラ」が溜まりやすくなります。

②広間に子どもがたくさんいる

 ①とセットの場合が多いです。おもちゃは散乱しており、座って遊ぶ子ども、おもちゃをもって歩き回る子ども、走り回る子どもとそれぞれが相反する欲求で動いているので、どちらとも集中や遊びを見つけることが難しい状態となり「イライラ」が溜まりやすくなります。一つの広間に1歳児18人となるのか、6カ所コーナーを作ることで、分散して遊ぶかの差となってきます。

③遊びに発展性がない

 コーナーが設置してあっても、遊びの発展性が感じられなければ、すぐに飽きた状態となります。飽きた状態では、刺激(欲求)を求めて行動しますが、見つからないと「イライラ」が溜まりやすくなります。特に「ままごとコーナー」では、キッチンやテーブルや人形、お皿など「ままごと」らしいおもちゃは整っていますが、1つ部屋に全てが詰まっている状態や置き場所もお家とは異なる配置で置かれていました。お家の生活を再現できるような、生活を感じられる配置にすると遊び方が深まります。

④音の刺激があふれて居る

 子どもたちが音遊びを行うのであれば、隣接するコーナーとの関係性を考えればよいのですが、大人が用意した音源が常になっている状態では、雑音が常にある状態になり集中ができにくくなる可能性があります。大人としては、子どもが好きな曲をかけて楽しむという願いがあるかもしれませんが、ずっと流れ続けているため、ストップは大人の判断となります。音を使うのであれば、アカペラや電子ピアノを「聴かせたい、一緒に歌いたい」子どもを対象として実施すると良いでしょう。

⑤ホッできる場所がない

 子どもたちはロッカーなど狭い場所を好みます。閉塞感があり、外からの視界も遮られるため安心を感じることができるようです。広間やまたは、コーナーが整っていても子どもがホッとできる場所を確保することで、イライラを軽減することができます。しかし、狭い場所を1カ所だけ作ると、子どもが集まりすぎるため、分散して設置すると良いでしょう。

このように保育環境を見ると、実は子どもの家庭背景以外に「イライラ」に結びつくことを多く発見することができます。悪循環を断ち切るためにもまずは、保育環境を見直してみましょう。

それから、家庭背景である睡眠やメディア率、家庭での遊びなどを照らし合わせて見ていくと、一つずつ支援対策を講じることができます。

「遊道」では子どもの様子と保育者の悩みを客観的に観察し、アドバイスをさせていただきます。

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