保育士さんから質問を頂きました。こちらの保育園は遊道で巡回させていただいており、今回の運動会は物語風に企画をしたとのお話でした。今回の質問はきっと他の保育士さんも同じ内容で困っていた、運動会を変えてみたいと考えている方の参考になれば幸いです。
近日、運動会を控えており、その中の「4、5歳児親子種目」の演目で、
桃太郎の世界観を設定して「鯉の滝登り(大人が向かい合って手を繋ぎ、その上をうつ伏せに
なった子どもを乗せワッショイワッショイ進める遊びです)」を行うことになりました。
演目内容(どのような遊びをするのか)保護者に前もって把握してもらう為、今プリント作成しているのですが、その中に「どうして子どもにとって遊びの世界観が必要なのか」という内容も書き込みたいと思っています。
役になりきる事で想像力が育つ、社会性が育つという内容を保護者にも分かりやすく伝える方法を教えてもらえないでしょうか?
世界観を設定することで、子ども達がわくわくドキドキしながら楽しい想像の下、活動できるようになります。更に全体で世界観を共有するため、友達との会話や意識の共有をするため、社会性の発達を促すことができます。
例えば、運動会のために「〇〇の練習」をするという内容は、大人が主体となり大人(保護者)に見せるための活動になりがちです。そこには子ども達の気持ちが乗りにくく、大人からの一方通行になることが多いのですが、世界観を設定することで子ども自身が活動について考えて「何が必要か、こうしたらもっと楽しくなるのではないか」と子ども主体(子どもが理解できる)の活動に促すことが可能となります。
例えば上記の様に運動会のための練習では、子ども達自身で目標、目的が作りにくくなり、何のためにやっているのかまた、運動会を終えたらそれ以降は意識もしなくなることが多いです。しかし、世界観を設定することで子ども達が運動会より早い段階から内容に意識を持ち目的をもって参加できるようになります。更に運動会が終わった後も世界観を楽しみ更に発展、劇ごっこなど他の遊びに繋げられる可能性があります。「行事のため」ではなく子ども達がいつもの「楽しい事」として継続することができます。
以上です。
このように子ども達の活動に意味づけをすることにより、子ども達が主体となった活動ができるようになります。0~5歳児クラスまでそれぞれが理解でき、それぞれが楽しめる世界観を考えることで、個の育ち、集団の育ちが期待できます。是非、以前からお伝えしているように「運動会のための〇〇練習」ではなく「保育の中間報告」として、子ども主体となる保育行事となればと思います。
また、大切なことは大人が世界観を伝えるだけではなく、これで楽しくなった子ども達が応用、発展、継続また、他の機会に自分たちで世界観(ウソっこ遊び)を楽しめるようになれば、子どもが主体となれる保育を展開できるかもしれません。
「遊道」では引き続き、保育士、保護者の方へ保育行事、保育の在り方など見直したり考えるきっかけを提案できればと考えております。