先日、南風原町にあるマイフレンズ保育園に伺いました。
マイフレンズ保育園には、園舎につながる園庭と、道路を挟んだ先にある裏山があります。
今回は「山の幸を探す」をテーマに、2〜5歳児の有志を募って裏山へ出かけました。
2〜4歳児にとっては初めての裏山体験。5歳児はこれまでも時々訪れている場所ですが、今回は久しぶりの裏山です。
入り口は、うっそうと茂った月桃に包まれています。

園庭には砂場や玩具があり、花が植えられ、小屋もあるなど、こどもが遊びやすいように環境が整えられています。
一方、裏山はほとんど整備されていません。
保育者は実や花、枝などを収穫する目的を持っていますが、こどもたちは初めて、あるいは久しぶりに訪れた場所。まずは、その環境そのものを味わい始めました。
「ちょっと行ってくる!」
そうつぶやいて、やぶの中へ消えていく4歳児。
気になる場所へ自分で向かい、自分の足で確かめに行く姿が印象的でした。

保育者が素材用の木を切ろうとのこぎりを使い始めると、「オレもやりたい」と5歳児が挑戦します。
思うように切れず、ときどき遠くを見つめて「ふ〜」とひと息。
そのすぐそばでは、「早くやってみたい」と待つ子どもが、絶妙な距離を保ちながら見つめています。
保育者の中では、「声をかけようか」「もう少し見守ろうか」という葛藤も生まれます。
未整備の環境は、こどもだけでなく、保育者にも「どんな距離で関わるか」を問いかけてくれる場所でした。

初めて裏山に来た子どもたちからは、
「何をすればいいの?」
「〇〇くんが持っている木がほしい。」
という声がたくさん聞こえてきました。
玩具がない環境では、「遊び方」がすぐには見つからないこどももいます。
そんな時、保育者は「どうしようかね〜」とあえて答えを示さず、自分が拾い物をしたり、素材を集めたりする姿を見せていました。
すると少しずつ、他のこどものしていることを真似したり、保育者の姿を真似したりと、「誰かのコト」が遊びのきっかけになっていきます。
遊びは教えてもらうものではなく、人の姿から広がっていくことを感じる場面でした。
保育者が木のお家をつくり始めると、
「私も作るからお家に入っていい?」
と3,4歳児が集まってきました。
みんなでせっせと木や草を運び、お家づくりが始まります。
保育者が作ったものを使わせてもらうのではなく、自分も作業に加わるから一緒に使わせて!という参加の意思が伝わってきました。
保育施設で言う、お手伝いとは違う印象です。


保育者は、こどもが楽しく遊べるように環境を整えます。
もちろん、それは大切な保育の仕事です。
ただ一方で、物的環境を整えすぎることで、本来こどもが持っている世界との対話の中で「探す」「見つける」「組み合わせる」といった想像力や探索する力を使う機会が少なくなることもあるのではないか、と感じました。
玩具や遊具がない環境は、保育者にとって少し不安になることがあります。
けれど、あえて裏山のような未整備の環境に身を置いてみると、こどもたちは環境を味わい、人を真似し、自分なりの遊びを見つけ始めます。
整えられた園庭とは違う楽しさや感覚が呼び起こされた時間でした。
次回は、山の幸から始まった余白の出来事をお伝えします。