先日、南城市にある以和貴保育園より、保育環境整備についての相談がありました。
相談のきっかけは、1歳児クラスでの環境でした。
昨年度、1歳児クラスではロフトをつくり、そこで活動していました。2歳児クラスへ進級すると、保育室が平面的な環境になったことで、こどもたちの「もっと動きたい」「隠れたい」といった欲求に、今の環境が十分に応えられていないのではないか、ということでした。
そこで、こどもたちが身体を動かしたり、隠れたり、それぞれが自分の活動を選んだりできるような「場所」をつくる議論が始まりました。
当初、園からは、こどもが身体を動かせる「うんていやボルダリング」のような構築物を希望されていました。
もちろん、身体を動かすことは大切です。
ただ、アスレチックのように「身体を動かすこと」そのものを目的としたモノをつくると、こどもたちが慣れてくるにつれて、保育者から見ると「ちょっと怖い」と感じるような使い方が生まれることがあります。
すると、
「そこは危ないよ」
「そういう使い方はやめよう」
といった規制や声掛けが増えていくこともあります。
そこで今回は、身体を動かすことを目的にするのではなく、「居場所に向かっていく過程で、自然と様々な運動が生まれる環境」を提案しました。
登る。
くぐる。
またぐ。
つかまる。
渡る。
そして、そこに行きたいから身体を動かす。
そんなふうに、こども自身の「やってみたい」から身体の動きが生まれる環境です。


もう一つ、保育の様子を聞いていて気になったことがありました。
一見すると、こどもたちは体力が有り余っていて、ずっと動き回っているようにも見えます。
でも、本当にそうなのでしょうか。
もしかすると、休める場所、休みたくなる場所がないために、電池が切れる寸前まで動き続けているのかもしれません。
「動く場所」をつくるだけではなく、「休める場所」も同時につくる。
そんな視点から、今回の環境を考えていくことになりました。
ロフトを考えるにあたって、まず参考にしたのが「ヌック」のような、こどもがそれぞれにくつろげる小さな居場所でした。
そして、こどもたちの育ちの幅も考慮しながら、いくつかの条件を設定しました。
① それぞれ違う高さにする
② それぞれ違う登り方ができるようにする
③ それぞれの1階部分を、違ったヌック(狭い部屋)のような空間にする
④ロフトとロフトの間にぶらさがり機能を設置する。
⑤ ぶらさがり機能だけではなく、登っていける空間もつくる
同じ「ロフト」でも、それぞれに違った特徴をもたせることで、こどもたちが自分の身体や気分に合わせて、行きたい場所を選べるようにしました。
「今日はここに行ってみよう」
「ここから登ってみよう」
「今日はここで過ごそう」
そんな選択が生まれることを願っています。

また、保育室には大きなコンクリートの柱がありました。
こどもたちが走り回る中で、保育者は柱にぶつかるのではないかという怖さを感じていたそうです。
そこで、柱を単に「危ないもの」として捉えるのではなく、こどもたちの身体に合ったテーブルや椅子をつくることで、保育室全体の環境も整えていくことになりました。

こどもの動きを止めるのではなく、こどもの動き方そのものを見ながら、環境を整えていく。
今回の環境づくりでは、そんなことを大切にしています。
園との議論を重ね、いよいよワークショップの日を迎えました。
実際に、こどもたちや保育者と一緒にどのような環境をつくっていったのか。
ワークショップの様子は、後日配信します。
どうぞお楽しみに!!