先日、宜野湾市にあるゆうわ認定こども園での出来事です。
園から「園庭環境を見直したい」とのご依頼を受け、園庭環境やこどもたちの姿を見させていただきました。
こどもたちは、木にたくさんいるセミを捕まえようと虫網を持って見上げたり、固形石鹸をすりおろして泡を作ったりと、それぞれが思い思いに園庭で過ごしていました。

A児は、熱中症予防のために設置されたミストから水がしたたり落ちていることに気づきました。
ポチャポチャと水が落ちる場所へ移動し、頭から水を浴びています。その足元には、小さな水たまりができていました。

そこで、水たまりからビオトープへ向かう「水の道」を作ることにしました。
最初は私が木の棒で道を掘り、水がゆっくりと流れ始めます。するとA児もやってきて、一緒に棒を使って道を作り始めました。
さらに使えそうなものを探して歩いていると、「何探しているの?」と数名のこどもたちが声をかけてくれました。
「水の道を作っているんだよ」と伝えると、「この枝がいいよ」と緑色の枝を持ってきてくれました。しかし、水分を多く含んでいるため柔らかく、思うようには掘れません。
その後は、ペットボトルのキャップや石、土の塊など、さまざまな素材を道具として試しながら、3人で水の道を掘り進めていきました。

するとB児が、ニコニコしながら片手スコップを持ってきました。
「これなら掘りやすそう」と思って使ってみると、面が広いため道全体が平らになり、水の流れる溝がなくなってしまいます。
「これは使えないな。」
そう言って、再び石を手に取り、作業を続けました。

道はビオトープのすぐ手前までつながりました。しかし、水は少しずつしか流れてこないため、あと40cmというところでゴールに届きません。
そんな中、室内へ戻る時間になってしまいました。
「あー!あとちょっとだったのに!」
悔しがっていると、ちょうど泡遊びをしていたこどもたちがボールを洗っていました。
そこで、「その水、流してもいい?」とお願いすると、快く流してくれました。

ボール一杯分の水が一気に流れると、それまでとは全く違う勢いで水が押し寄せます。
すると、土で作っていた堤防が崩れ、水はあふれ出してしまいました。
その様子を見ながら、大雨の際に堤防が決壊し、川の水があふれる仕組みも、こうした現象の延長線上にあるのだと感じました。

今回、特に印象に残ったのは、こどもたちが枝やキャップ、石などの素材を目的に応じて使い分けていたことです。
同じ石でも、先が尖ったものは掘るために、平たいものは土をならすためにと、用途に合わせて自然に選んでいました。
与えられた道具を使うのではなく、自分たちで「使えそうなもの」を探し、本当に使えるか試し、うまくいかなければ別の素材に替える。その繰り返しの中で、素材は道具へと変わっていきます。
この「見つける」「試す」「使い分ける」という経験こそが、こどもたちの遊びの深まりとなり、満足感につながっているのだと感じました。
最後にB児が、完成した水の道を見ながら他のこどもに向かって、
「これ作るの、すっげー大変だったんだぜ!」
と誇らしげに話していました。
その一言には、自分たちで考え、工夫し、試行錯誤しながらつくり上げたという達成感が詰まっているように感じました。