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運動能力は“教える”ものではなかった

2026.04.20

 先日、豊見城市にあるもみじ保育園にて、保育環境アドバイスを行いました。

巡回の際、0~2歳が合同で過ごすテラスがあり、そこにロフトがあります。

1歳児のA児が、900mmのロフトに手をかけて、登ろうとしています。

腕を曲げ、足先で壁を固定し、見るからに登れそうな体勢です。

しかし、それ以上は登れないのか、登らないのか、降りていました。

そこへ2歳児のB児がやってきて、A児とは異なる方法でロフトに登っていきます。
その様子を、A児はじっと見つめていました。

登り終えると、B児は、A児が登ろうとする姿をロフトの入り口から見ています。

するとA児は、B児が登ったやり方を真似ていました。しかし、途中で登ることを止めて、別の場所に遊びに行きました。

保育者に話を聞くと、A児は1歳児クラスの後半になる頃には、2歳児の動きを模倣しながら、自分で登れるようになっていたとのことでした。

この姿から、異年齢で過ごす中で、こども同士の関わりを通して身体の使い方が「文化」のように受け継がれている様子が見えてきます。

こどもは「こうなりたい」「やってみたい」という思いを起点に、
「どうすればできるのか」と考え、自分の身体と対話しながら動きを獲得していきます。

運動能力はどのように育つのか?

杉原隆氏が中心となって行った調査(2002年の全国調査など)では、保育施設での「体育指導(正課体育)」の頻度と、幼児の「運動能力テスト」の結果を比較しています。

結論から言うと、「体育指導の回数が多い保育施設ほど、子どもの運動能力が低い」という、一見すると逆転したような結果が出ています。


調査結果の概要

体育指導の頻度を「なし・中(週1〜2回)・多い(毎日など)」で分けたとき、体力テストの結果は以下の傾向を示しました。

体育指導の頻度運動能力テストの結果特徴
なし最も高い自由遊びの中で多様な動きを経験している。
中程度中間指導と遊びのバランスによる。
多い最も低い特定の種目(跳び箱、縄跳び等)の練習に偏る。

なぜ「指導が多い」と能力が下がるのか?

研究では、その理由として以下の要因が指摘されています。

  1. 種目の限定化(動きの偏り):「体育指導」になると、どうしても跳び箱、マット運動、鉄棒、走法といった特定の種目に限定されがちです。その結果、幼児期に必要な「多様な動き」を体験が乏しくなります。
  2. 待ち時間の発生:大人による体育的な指導では「列に並んで順番を待つ」時間が増えます。一方、自由な「運動遊び」をしているこどもは、その間ずっと動き回っているため、トータルの活動量(運動量)に大きな差が出てしまいます。
  3. 主体性の減少:「やらされる運動」「指導者からの一方向的な指示」になると、こどもが自分で工夫したり、面白がって繰り返したりする「内発的動機付け」が働きにくくなります。結果として、運動に対する意欲や、身体を巧みに操る感覚が育ちにくくなります。

「遊道」では、特別な活動として運動を用意するのではなく、日常の中で子どもが思わず身体を動かしたくなるような環境づくりと、その実践を提案していきます。「遊道」では、特別な活動ではなく日常からこどもから動き出したくなるような環境の提案を行っていきます。

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