さ、今回はお散歩に焦点を当ててみたいと思います。
保育園では週に何回かお散歩があると思います。家庭でも親子で地域散策をするでしょう。子どもをただ、歩かせるためではなく意味を持たせることが重要となります。
まずは表記にあるように見通しを持つ力を育てることができます。
ある程度地域の地理を知っていれば、
「ここを曲がれば家まですぐだ」
「最後は急な坂道がある」
「ここからただひたすら一直線」
など先に見通しを立て、歩行のスピードや体力の温存など考えるでしょう。
先を見通して活動する力に繋がります。
散歩コースは様々な地形があります。階段や斜面、畑横のあぜ道、砂利道、アスファルトなど条件で歩く感触が変わります。例えば、まっすぐ歩く時にアスファルト、砂利道、土など同じ距離を歩くにしても環境が違えば子どもの運動機能で使用する箇所も変わってきます。是非、様々な地形を歩いてみましょう。慣れてくると環境を見ただけで「土が濡れているから滑りやすい、しっかり踏みしめよう」など環境に対応した活動ができます。
自分の住んでいる地域が分かるということも大切です。そのためにはいくつかの印象ポイントを見つけてみましょう。
例えば・・・・
☆〇〇さんのお家でヤギを飼っている
☆あの角には犬のコロちゃんが住んでいる
☆いつもあの川で葉っぱを流して遊ぶ
☆この家の塀はドラゴンフルーツがなっている
☆いつも遊ぶ〇〇君のお家
など、ただ散歩をすることも楽しいですが、地域のことを伝えたり知ったりすることも大切です。
遊道では保育園でお散歩マップの作成を提案しています。
当然ながら散歩には危険があります。道路の横断、また歩道のない道路を歩いている時に車を認識し避ける力です。また、急な階段を降りる時に勢い余って転んだり、足を踏み外して小川に落ちるなども予想できます。
このような経験も安全を確保してくれる大人と一緒に確認しながら学んでいきましょう。
地域のことを知ることで行ってみたい、見てみたいという欲求が刺激されます。また、いつも同じ地域だからこそ、些細な変化を感じ取ることができます。
☆犬のコロちゃんに赤ちゃん誕生
☆ドラゴンフルーツが食べごろだ
☆新しい家が建設中
☆雨の翌日、いつもより川の水が増えて流れが急になっていた
など、季節や人の生活の変化を感じ取ることができます。これが子ども達に必要な「違和感を感じる力」に発展してくるでしょう。
当然ながら一定の歩行量が得られるため、一日の運動量を確保することができます。ただし、散歩=運動した!!と勘違いしてはいけません。もしかしたらただ、歩いただけになる可能性もあります。また、下半身だけの運動となり上半身はあまり使わないかもしれません。
保育士は総合的な運動(生活動作、遊び、散歩など)バランスを考えならが散歩を取り入れることが必要です。
また、いつものコースを歩くのではなく、
☆坂道の多いコースで足腰を刺激
☆新しい道を探索して好奇心を刺激
☆季節の移り変わりが分かるコースで変化を感じる
など意図が必要です。
保育園の散歩では例えば
〇車に注意する
〇前の人との距離を考慮する
〇ペアの子どもと歩調を合わせる
〇段差や電柱に意識を向け避ける
〇楽しいことを探す
〇先生の声にも反応する
など、上記の様なことを同時に処理する力が大切です。楽しいことに気を取られ過ぎて、車道に近づいたり、ペアの子どもとお話に夢中で段差に気づかず・・・。など怪我に繋ることもあるかもしれません。保育園で行う散歩は子ども達の発達を把握しながらコースを考えることが大切です。
現に先日伺った保育園で「散歩中に子どもが電柱にぶつかった」とのお話を聞きました。先に電柱は見えていたのにぶつかってしまったとのことでした。もしかしたら、メディアなど遠近感が感じにくい、またお家で散歩などの経験が少なく電柱=ぶつかったら痛いなどのことを知らなかった可能性もあるでしょう。
散歩時の安全性(注意分配力)や発見する力を発揮するには早寝早起きや朝ご飯をしっかり食べることが大切です。早寝早起き、朝ご飯をすることで、脳の情報処理能力が十分に発揮できると言われています。
遅寝遅起きをすることで、危険なことが見えても認識できにくかったり、身体が動きにくいので身体を動かすことに意識を割き過ぎて、楽しい物も発見できにくくなる可能性もあります。
更に歩きやすい靴が必要です。是非、散歩はコースだけではなく子どもの生活背景や靴などの環境も考えて地域で遊ぶことが大好きな子どもを育てていきましょう。